シャドーイングは聞いたことあるけど、オーバーラッピングってなに?
シャドーイングは有名な学習法のひとつですが、オーバーラッピングを知っている人は意外に少ないです。シャドーイングと混同されている方も多いかもしれません。
今回の記事ではリスニングにも効果があるオーバーラッピングについて解説していきますよ!
オーバーラッピングとは?
オーバーラッピングとは「音声と全く同じ速度で発音する」学習法です。”overlap”は「重ねる」「重ね合わせる」の意味。「全く同じ速度で発音」というところがポイントです。
シャドーイングと一緒じゃないの?という方がいますが、違いがありますよ。
- シャドーイング→聞いた音についていくように発音。影のようについていくため、音声とずれがある。
- オーバーラッピング→音声と全く同じ速度で発音。タイミングを合わせるため、音声とずれがない。
シャドーイングはスクリプトなしでも練習可能ですが、オーバーラッピングは同時に発音するために、基本的にはスクリプトありで行います。
オーバーラッピングのメリット
オーバーラッピングのメリットは大きく2つあります。
リスニング力の向上
「言える英語は聞ける英語」になるためリスニング力に効果があります。音声と同時に発音できるフレーズを蓄積することが英語力アップのポイントです。もちろん言えないフレーズでも聞ける言葉はありますが、言えるフレーズに関しては間違いなく聞き取れるようになります。
ネイティブの音に慣れる
ネイティブの発音は、音が繋がったり、音が落ちたり、時には/t/の音がフラップTで発音されたり、と音を変化させて発音する音声変化が起こっています。発音しやすくするためですね。
オーバーラッピングによりこの音声変化に慣れ、自然に発音できるようになります。また、英語的なイントネーションやストレスも身に付きますよ。
オーバーラッピングでは、音声と同時に発音が始まり、同時に終わります。 そのため、シャドーイングと比べるとより細かく音声変化をチェックしていないと音声とのズレが生じます。
音声とのズレを起こさないために、耳と口の意識がより細かくシビアなところに向くこともポイントです。
練習のながれ
オーバーラッピングの音声の選び方と練習の流れやポイントを見ていきましょう。
簡単に行えるので気軽に練習してみてください。
音声の選び方
音声選びですが、できる限り短い音声を選びましょう。
オーバーラッピングは何回も繰り返し、自分の言葉になるまで行うことで効果があります。長い音声だと回数がこなせなくなるとともに、「同時に発音する」ことも難しくなります。
長くても15~20秒までにしてみてください。おすすめはTOEICのパート2の音声です。
練習の流れ
「音声」と「スクリプト」を準備。
まずは選んだ音声をしっかり聞いていきます。この際分からない単語の意味はチェックしておきましょう!
リンキング、リダクション等の音声変化をチェックしましょう。
スクリプトに書き込んでおくと良いですよ。
スクリプトを見ながら行います。同時に発音するということは、音声と同時に始まり、同時に終わります。
スクリプトなしで行うとシャドーイングになりやすいため、オーバーラッピングではスクリプトを見ながら音声変化、ストレス、イントネーションに集中して発音しましょう。
何度も繰り返すことで自分の言葉になっていきます。同じ音声を使い、1日10回を3~4日繰り返すことでより定着していきます。
音声より発音が早くor遅く終わる場合には音の変化をチェックしきれていない可能性が高いです。音声を低倍速にして原因を確認すると良いかもしれません。
おわりに
いかがでしょうか。初めての方もご存じだった方も、ぜひ日々の学習にオーバーラッピングを取り入れてみてください。
2~3か月継続することでフレーズが蓄積されていき、徐々にリスニングへの効果を実感できますよ。
頑張っていきましょう!