今回の記事は「単語を覚えるのが苦手!」という方に向けて書きました。
私も単語を覚えることは得意ではありません。単語だけでなく物事を覚えることもあまり得意な方ではないのですね。
ただその中でも単語帳は1冊を使い倒す、それから次の単語帳にいく、ということを徹底しています。
今回は単語を覚えるのが苦手な方に向けて、単語帳と向き合うときの極意、そして1冊の単語帳を使い倒すメリットをお伝えしていきますよ。
単語の「覚えている」のレベル
そもそも単語を覚えるといいますが、「単語を覚えている」には段階、レベルがあると思っています。
単語を覚えているレベル
下記の表を見てください。単語を覚えているレベルが上がるほど単語への理解度が高くなっていきます。
私なりに作成してみました!
レベル3以上が覚えている、に入ると思っています。
全く知らないレベルのため、理解できない。発音することに時間がかかる。聞いた際にも音として取れない事が多い。
単語の存在を知っているものの意味と合致していない、意味を知らない。レベル2までは覚えていることにはならない。
時間は多少かかるものの、意味のイメージ・内容の理解ができる。文脈が助けになることも多い。時間がかかるため、このレベルの語が数語続くと理解に支障がでることがある。自分の言葉ではなかなか使えない。
単語のイメージ・内容の理解が出来る。「この単語を使うぞ」と意識することで会話中に使える。
cat, dogを理解するレベルで瞬時に意味が理解できる。自分の言葉として使う事ができる。
単語の意味が瞬時にわかるだけでなくコロケーションも思い浮かぶ。
コロケーションとは単語と単語の “自然な語のつながり”のことを指します。
例えば、”rain cats and dogs”は「雨が土砂降りに降る」という意味ですが、犬を先に置いて”rain dogs and cats”とは言いません。
単語の意味に加えてコロケーションや関連語まで思い浮かぶ事が出来るとより深い理解レベルにあります。運用の際にも大きく役立つことでしょう。
受容知識と産出知識
受容知識(receptive knowledge)と産出知識(productive knowledge)という言葉があります。簡単な言葉で言うと受容知識はインプット、産出知識はアウトプットのことを指します。
大量のインプットからしかアウトプットは生まれません。持っている受容知識が少ないと相対的に産出知識も小さくなります。リーディングやリスニング、単語学習によって多くのインプットを入れていくことが使える英語になるカギです。
単語に関して時間がかかってもまずはレベル3の「知っている・理解できる」ところまでもっていくことを目標にしましょう。
単語帳を軽く流してまた新しい単語帳に手を出す方は、上記表のレベル2,3の単語が多い印象にあります。次の1冊を使い続けるメリットをご覧ください。
単語帳は1冊を使い倒せ
1冊を使い倒すメリットは大きく一つ、定着率が高まるためです。
人は忘れる生き物です。「エビングハウスの忘却曲線」という言葉を聞いた事があるでしょうか?
人は20分後には約40パーセント、1日後には70パーセント忘れるとも言われています。
そのまま何もせずに月日が経過するとどんどん忘れていくのですが、「復習をする・思い出す」ことをすると、忘れる速度が遅くなっていくのですね。
同じ単語帳を何度も繰り返すと「段々忘れていく」→「復習をしてまた思い出す」→「忘れる速度が遅くなる」→「復習」→「定着する」のサイクルを回すことが出来ます。
「覚える!」という感覚より、「単語は忘れて当たり前!だから何度も復習をし忘れる速度を遅くしていく!」というスタンスがおすすめです。「忘れた」という罪悪感も減ることでしょう。
とにかく何度も何度も単語帳を見る、発音する、という事が単語の理解度を上げていくポイントです。
なんとなく流して次の単語帳に行く方はこのサイクルを捨てることとなるので、NGですよ。
1日に100語チェックする
前述の通り「何度も思い出す」ことがポイントとなってくるため、単語帳を使う際にはできるだけペースを早く何周も回すことが大切です。
1000語掲載されている単語帳があるとしましょう。1日100語チェックする事が出来れば、10日で1周、1か月で3周することが出来ます。3か月で9周することが出来ます。
それってかなり大変なんじゃ…
最初は大変に思うかも?
慣れれば100語のチェックも30分で終わりますよ!
それでは単語帳1冊を使い倒すために、効率的な単語帳の回し方を見ていきましょう。
単語の効率的な覚え方
20語を1セットとして進めます
シートを使い意味を隠し、単語を発音し意味を確認。書くと時間がかかるため発音をするようにしましょう。
意味を隠しながら「発音➡意味を思い出す➡シートをずらして意味があっているか確認」。
一瞬で(0.5秒で)思い出せなかったら単語の意味を確認し、またセットの一番初めに戻ります。
思い出せなかったら初めから、思い出せなかったら初めから、と何度も繰り返します。
意味がすぐに思い出せるようになった単語も飛ばすことなくテストしましょう。定着率が上がります。
20語セットを最後まで、すぐに思い出せるようになったらクリア。チェックのためにセットの最後の単語から行います。
慣れてくると1セット5~10分前後で出来るようになります。30分を目安に1日100語をコンスタントに見ていきます。
前日行った単語は軽くで構いませんので、目を通しておきましょう。いづれにせよ周回数を重視するため軽く見た後には次の100語(20語×5セット)に進むようにしてください。
このペースで行うと1000語を10日で回すことが出来ます。3~10周回すことが出来れば定着率は非常に高くなるでしょう。
2000語ある単語帳を使う場合には1000語で区切りをつけて、戻る方が記憶のメカニズム的に効率が上がります。1000語をほとんど覚えることが出来たら次の1000語に進んでみてください。
さいごに
とにかく何度も見る、発音する、試しに使ってみる、この「何度も」行うことが上達には不可欠です。
簡単にできる魔法はありませんが、何度も行う事が近道だと私は信じています。着実に前に進んでいきましょう。
Keep it up!