今回は英語の詩を1編ご紹介します。
日本語でも難解な詩は多くありますが、英語でもそれは同じです。
紹介する詩は単語自体は難しくないものの、タイトルにもある通り英語の上級者でも「何これ?」となるようなE.E. カミングス、という詩人の詩をもってきました。
パズル感覚でご覧ください!
E.E. Cummingsの詩
こちらが今回紹介するE.E.カミングスによる詩です。タイトルはなく1行目の「l(a」がタイトル扱いされることもあります。
簡単な解説(ネタバレ?)は後ほどしますので、まずは読んでみてください!
簡単な解説
読んでみていかがでしょうか?「なるほど!」となった人や「意味わからん」という人もいるのではないでしょうか。
基本的に詩は受け取り手によって意味合いも変わってくるものだと思っています。
そのため、詩を解説するのは詩を痛めつけることでもあったりするのですが…。
まわりくどいよ!はよ教えて!
はい!それでは先ほどの詩をまずは横に並べてみましょう。
l(a leaf falls) oneliness
何が見えるでしょうか。こうするとより英語に見えますね。
カッコ内とカッコの外を合わせてみましょう。
すると…
loneliness(孤独)とa leaf falls(1枚の葉っぱが落ちる)
見えましたね!「孤独」「葉っぱが落ちる」という意味が浮き出てきました。
詩の解釈
l(a
le
af
fa
ll
s)
one
l
iness
詩の解釈は人それぞれ。あくまで私見ですのでご参考まで。
「a leaf falls(1枚の葉っぱが落ちる)」とあるように、表向きの意味が分かると葉っぱが落ちる風景が文字を使って描かれていることが見て取れます。
「af」「fa」と葉っぱがくるくる回りながら「ll」と縦にもなって落ちていく様子。
「iness」の部分では一番長い字面であることから、地面に落ちて葉が横たわったのでしょう。
Concrete Poetryの形式で書かれている1編です。
Concrete poetryとは…具象詩、具体詩、視覚詩のこと。言葉の意味だけでなく、形式・形態に重きを置き、風景や絵を表している詩を指します。日本では新国誠一さんや草野新平さんが有名です。
また「loneliness(孤独)」とともに多くの「I(アイ・わたし)」そして数字の「1」が見えるでしょうか?
l(エル)はI(アイ)にも見え、oneやinessもあります。
~nessという接尾辞は名詞を作りますが、締めの部分をinessとすることで「わたしであること」も指しているとも考えられます。
葉っぱが落ちていく儚さが短い詩の中で表現されています。
人によっては「人生を表している」と捉える方もおり、l(わたし)で生まれ人との出会いがあり「ll」になり、地面に落ちた箇所でinessとなり人生を遂げるという解釈です。
みなさんはどのように感じたでしょうか?
おわりに
詩というと愛や恋を解いたものや自己啓発関連が多いと誤解されがちなのですが、「自然の雄大さ」「人生の儚さ」「差別の実体験」「仮想世界」「LGBTQの葛藤」「性被害を生々しく描いたもの」「日常にある喜び」等々、テーマは様々です。
詩人たちが感じたことを表現しているわけですね。
今回はConcrete Poetry(具象詩)を紹介しました。
Google検索をするとイメージが掴めますよ。多くの詩があるので興味がある方は検索してみてください:)