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ルネ・マグリット「イメージの裏切り」
ルネ・マグリットの作品に「イメージの裏切り」 “La trahison des images” The treachery of imagesという作品があります。
聞いたことはありますか?パイプの絵というと知っている方もいるかもしれません。
Surealism(シュールレアリズム)超現実主義の作品で、丁度ページ上部のアイキャッチ画像のような作品です。著作権の関係で作ったものでご勘弁を(検索してみてください!)。
見ての通りパイプの絵の下にフランス語で「これはパイプではない(Ceci n’est pas une pipe)」と書かれています。
不思議な作品ですよね。
言葉はイメージを作り出し、イメージは言葉をつくります。ただその言葉/イメージもお互いが一致しているとは限らない、虚構のものだったりするわけです。人に認知されているからこそ物事は言語化され「存在」が確立されることがあります。その存在を言葉で否定することでパイプ自体の存在があるのか、と問うような作品。
絵画も詩も音楽も人の数だけ解釈があるので、ぜひ実際の絵を検索してどのようにとらえるか考えてみてください。
「イメージの裏切り」寄せた詩
そんなマグリットの作品を見た後に2015年に書いた詩です。丁度マグリット展が行われていて、展示会へ行った後だった記憶があります。
これは詩ではない
——「イメージの裏切り」に寄せて
これは詩ではない
ただの言葉の連なりであって
これは言葉ではない
ただの文字の連なりであって
これは文字ではない
ただの線の連なりであって
これは線ではない
ただの点の繋がりであって
これは点ではない
ただの紙に映る夜空であって
これは夜空ではない
ただのパイプであって
パイプはパイプでなくて、
2015年4月19日