こんにちは。英語講師のだいちです。
突然ですが下記の単語を声に出して発音してみてください。
Hot / Office / Problem / Possible
どのような発音になったでしょう?「ホット」「オフィス」「プロブレム」「ポッシブル」という発音になった方も多いのでは、と思います。
実はこれらの音、アメリカ英語ではストレスの母音が/ɑː (ah)/で発音されており、喉を開いて「あ」と出す音なのですね。
ということで、今回の記事では「お」だと思っている音はアメリカ英語では「あ」になるよ!という事について言及していきます。
アメリカ英語では「あ」の音で発音
カタカナ英語で「オ」になっている音はアメリカ(カナダ)英語ではストレスの母音が/ɑː (ah)/で発音されることが非常に多いです。
辞書で/ɔ:/(「オ」の音)と記載されている単語も、General American(GA・一般米語)では区別されず/ɑː (ah)/で発音されます 。
昔の辞書ではアメリカ英語でも/ɔ/(「お」の音)のまま書かれているものが多かったものの、最近のweb辞書ではUS発音において/ɑː(ah)/と表記されるものも増えてきました。
先ほど挙げた例の「ホット」「オフィス」「プロブレム」「ポッシブル」に関していえば、
カタカナ表記だと「ハット」「アフィス」「プラブレム」「パッサボゥ」が比較的近い発音になりますよ。
単語の例を見てみよう
それでは単語の例を見ていきましょう。母音はすべて喉を開いて/ɑː(ah)/の音です。
どうしても今までのイメージで発音が文字に引っ張られることがあるはずです。
発音する際に単語のイメージで音を変えないように、/ɑː(ah)/の音を狙って発音してみましょう!
Hot /hɑːt/
Office /ˈɑː.fɪs/
Problem /ˈprɑː.bləm/
Possible /ˈpɑː.sə.bəl/
Water /ˈwɑː.t̬ɚ/
Bob /bɑːb/
Often /ˈɑːf.ən/ /ˈɑːf.tən/
Want /wɑːnt/
Talk/tɑːk/
Walk /wɑːk/
Process /ˈprɑː.ses/
Proper /ˈprɑː.pɚ/
Not /nɑːt/
Pot /pɑːt/
Lot /lɑːt/
Body /ˈbɑː.di/
follow /ˈfɑː.loʊ/
Stop /stɑːp/
Job /dʒɑːb/
Hospital /ˈhɑː.spɪ.t̬əl/
Octopus /ˈɑːk.tə.pəs/
Across /əˈkrɑːs/
Common /ˈkɑː.mən/
Doctor /ˈdɑːk.tɚ/
Thought /θɑːt/
Taught /tɑːt/
Bought /bɑːt/
Caught /kɑːt/
※発音記号はCambridge Dictionary 参考
このように皆さんが知っている単語、それも「お」のイメージで知っている単語が「あ」で発音されていることが感じれたのではないでしょうか。
/ah/で発音する単語はまだまだ沢山ありますので、探してみてください。
won’tとwantの区別はどうすれば?
- won’tとwant の区別はどうすれば?
-
won’tは二重母音の/ou/を使い発音。そのため「ヲゥnt /woʊnt/」という発音になります。wantは「わnt /wɑːnt/」という発音、喉を開いた「あ」の音を使います。
こちらの記事もあわせて読むと/ah/の単語、/ou/の単語のイメージがつきやすくなります💡
/ah/で発音する単語と/ou/で発音する単語は覚える必要があるため、知識として入れておきましょう。
イギリス英語で「お」の音ならそれで良くない?
イギリス英語で「お」の音で発音しているなら「ホット」や「プロブレム」の発音でも良いのではないですか?
そんな質問を受けることがあります。確かに伝わることが大切なので、問題ありません。
ただここで問題点があります。日本語英語の特徴として、単語によってイギリス英語寄りの発音をしていたり、アメリカ英語の発音になっていたり、母音や特徴が混ざっていることが非常に多いです。
統一感がなく混ざった発音は理解されにくくなることや、誤解を生みやすくなる、という弊害が生まれるのですね。
もし「お」の発音で「ホット」「プロブレム」の発音をする場合には、他のイギリス英語の特徴も真似ることがおすすめ。
アクセントは好きなものを選んで構いません。その際には徹底してその国のアクセントに寄せてみましょう。
これによって統一感が生まれ、伝わりやすい英語に繋がります。
発音は好きなアクセントを選ぼう。母音を統一することで相手に伝わりやすい英語になる。
おわりに
いかがだったでしょうか?
カタカナ英語の弊害のひとつですが、カタカナ英語を見た時に「カタカナではこうだけど、実際の英語ではなんというのだろう?」という視点をもつと日々発見があるかもしれませんね。
まずは今回の「あ」の音で発音する練習を取り組んでみてください。